みんな、ときどきひとり


「あなたを突き落としてから、1週間位、学校もバイトも休んでたんです。

学校になんか行きたくもなかったし。

バイトだって行けるはずもなかったから。

わたし、思ってたんです。あなたは、きっと修くんにわたしが呼び出したことを言っただろう。

突き落としたことを言っただろうって。それを言われて、修くんは、わたしのことをどう思ったのだろうって。

そもそも修くんに、告白しようと決めたことは、わたしにとっては、人生を賭けたようなものでした。

その気持ちを託した手紙を彼の下駄箱にいれたはずなのに。

なぜかあなたが持っている。

しかも、わたしを探し出そうとしてましたよね。

それを見た瞬間、訳がわからなくなってしまったんです。

それから、考えました。

あなたが手紙を持っている理由を。

修くんがわざわざあなたに手紙を読ませた?

彼は、そんなことをする人じゃないと思いました。

だとしたら、考えられることって、あなたが、修くんの下駄箱から、手紙を盗んだってことだけでした。

もし、あなたが修くんを好きだったら、そんなことをしても、おかしくないと思ったから。

だから、何度か教室に忍び込んであなたの持ち物を見ました。

そしたら、手紙が鞄の中に入っているし、おまけにシールが剥がれていて、読まれた形跡もありました。

そして、あなたの携帯には、修くんのアドレスが登録されてる。

だから、あなたと修くんに繋がりがあるってわかったから、憶測が確信に変わったんです。