みんな、ときどきひとり


空笑いをしたわたしの身体が何かに包まれた。

温かかった。

温もりに包まれてるってわかる。

あ。わたし、手嶋くんに抱きしめられてるのか。

そんなこと、冷静に思った。

「何かあったんですか?」

何も言えずに黙ってしまう。

この手は。

この腕は。

この人は。

「俺、そんな顔させたくない」と、囁かれた。

わたしは、腕をほどく気力もなく、黙ったまま彼に身を寄せる。

「何かあるなら、俺、支えになりたい」

それは彼なりのわたしを思っての優しい言葉。

顔をあげると、手嶋くんと目が合う。

ゆっくり、彼の顔がわたしの顔に重なるように近づいてくる。

それは彼なりのわたしを思っての優しい表情。

その声は。

その目は。

その人は。

わたしを必要と。