「だから、こうやって会うのってまだすげー不思議です」と笑う顔は年下を思わせる、曇りのない純真な笑顔だった。
「そ…そっかぁ」
恥ずかしくなるような科白をためらいなく言ってくる。この人の頭の中はどうなってるんだろう。
わたしなんか一度好きと言うだけで精一杯だった。
「あーあ。好きになってくれないかな」
「ははは。わたしにそれを言う?」
人にそう言って好きになるなら、いいのにな。
「やばい。心の声が漏れました。好きになってもいいんですよ、いつでもカモーン」と冗談っぽく両手を開いた。
その姿が、またにじんでくる。
「優菜ちゃん?」
「あっ、ごめん」
水城くんのこと。
母のこと。
また思い出していたら、自然と涙が込み上げてきた。
「何か……何かあったんすか?」
「えっ?何もないよ。ごめん、あくびしちゃった」
慌てて目尻を押さえる。ここで、泣くのはずるい。
「ほんとですか?」
覗き込むように、彼はわたしの顔を見た。
「いや、この顔は何かありましたね。俺にはわかります」
「えっ?」
「なんてね」と冗談だよっといった表情で笑う。
ここで、泣いちゃいけないから涙を堪えると、言葉が出せなくなった。
「優菜ちゃん?」
今度は心配そうな顔でわたしを見たから、笑った。
「何もないよ」
声が震える。



