みんな、ときどきひとり


付きまとってる女って思われたのかな。

もう友達にもなれないのかもしれない。

二つ折りの携帯を開くと、メールが一件届いていた。

『今、ひまですか?』

手嶋くんからだった。

少し考えたあと『ひまだよ』と返事をする。

『まじで?今から会えません?優菜ちゃんに会いたくなった』

その文章をわたしは眺めていた。

誰かに。

誰かに……。

必要と。




待ち合わせした近くの公園まで行くと、黒の原付自動車にまたがった手嶋くんがいた。

「今日、原チャなの?」

「そのほうが早いから。すっ飛ばしてきました」

「そっか」と言って、公園の柵に腰を降ろすと彼も隣に並んだ。

「ごめん、急で」

「いいよ、暇だったし」

「いや、でも会えてまじで嬉しい」

「大袈裟だよ」

「いや、本気で。俺、こんなに人を好きになったの初めてかも」

「そう?」

そんなこと言われても何て言っていいかわからない。

「本当言うと。俺、優菜ちゃんに一目惚れしてたからな」と懐かしむような声を出す。

「えっ?」

思わず訊き返してしまった。だって、そんなの冗談にしか思えない。

「高校に入学して、一番最初に可愛いと思ったのは優菜ちゃんだったんですよ。まあ、そんなこと思っても接点ないし、密かな憧れだったんですけどね」

意外。

だって、あの日出会ったときのフットワークの軽さ。

そんなことを思っていてくれてたなんてみじんも感じられなかったのに。