亮太が梨花を忘れたように。
わたしが亮太に彼女のことを言えたように。
気持ちは、自然と積み重なって、それが段になって、知らないうちに上っているものなのかもしれない。
この階段みたいに。
そして、何処かへ辿り着くものなのかもしれない。
そこに辿り着く為に、こういう気持ちを繰り返していくのかな。
それが何処かはわからないけど。
きっと、不幸ではないはずだよね?
上ってるんだから、そう思いたい。
だから、大丈夫。大丈夫。
自分に言い聞かせる。
今、足元にある階段を一段一段上る度に、2年2組の教室は当り前なんだけど近づいていく。
その度に、胸の鼓動も早く波打っているように思えてしまうのは、近づいていく距離が好きという気持ちを大きくさせているからかもしれない。



