みんな、ときどきひとり


「ふうん。まあ、これで念願の彼氏出来たらいいな。いい加減、男っ気なさすぎだし、お前。そのうち性別、男になっちゃうって」

そんなわたしの気持ちとは違って、亮太の声のトーンは変わらなかった。

「なんないよ!つうか、言われなくてもつくるしね」

「どうだかねぇ。まあ、応援してますよ、僕はぁ」

顔を上げて見ても、亮太の表情は変わらなかった。

だけど。

言わなきゃよかった。

「亮太こそ彼女つくったらいいのに」

「俺は、モテすぎて決められないんですっ」

「はっ、鏡みたら?」

言わなきゃ良かった。


きっと。

亮太は傷ついて。

わたしもまた傷ついた。