みんな、ときどきひとり


「そういや、田口、合コン行くんだってな」

「えっ?」

そんなことを思い出していたせいか、突然の質問に喉をつまらす。

「な、なんで、知ってるの?」

「がっつきすぎだよ」

むせたわたしを見て手を叩いて笑う。

「だって、中庭で合コンとかあんな大声で騒いでたら聞こえるって。特に美和子の声はよく通るしな」

「聞いてたの?エロ!むっつり!」

「むっつりじゃねーよ!真っ向からエロだよ」

さっき食べたミルフィーユの味がわからなくなってきた。

「梨花に誘われたんだよ」

呟いたあと、亮太の顔を直視出来なかった。

どんな顔をしているのか、見るのが恐い。

なんで言ってしまったんだろう。

黙って、オレンジジュースを飲み込んだ。