だけど気持ちが高ぶっていたのか、そんな単純すぎる発想に便乗してしまった。
校門を出る頃には5時間目の授業が始まるチャイムがBGM。
鞄だけ取りに一旦教室まで戻ったけれど、次は体育で移動していたのか、教室に人はいなかった。
「わたし、初めてなんですけど。さぼるの」
「真面目ですね」
「でしょ。今日から反抗期だね、これは」
空を見上げると、雲ひとつない青空だった。
形がかわっても、雲が流れていくのなら、なぜだかわたしもどこかへ流れて行けそうな気がしてくる。
「ねえ。水城くん、どこ行こうかぁ?」
空を見上げたままわたしは訊いた。
「行きたいとこあるんですか?」
「んー。わかんない……ねえ、水城くんは、好きな人に好きな人がいても告白する?」
「なんすか、それ」
「さっき、わたしを泣かせたんだから、答えてよ。その位は」駄々をこねた口調で言う。
「はいはい。言いたくなったら言うんじゃんないですかね」
「そっか。そうだね。言いたくなったら言えるのか」
何度、亮太に好きと言いたくなったけ。
数えだしたらきりがないほど、その瞬間を一緒にいたのに。
一度も伝えられなかった。



