さんざん泣いたんだと思う。急に我に返ったから。
ふと顔をあげると、水城くんと目が合う。
絶対、可笑しい顔になってるに違いない。それなのに、表情一つ変わらないものだから、よくわからない。
「目、腫れてない?」
「ばっちり。目も真っ赤ですよ」
「えっ。まじで?どうしょう。授業でれないよ」
薄くつけたマスカラがにじんで目の下が黒くなってる気がして、目尻を拭いた。
「あんだけ泣いてたくせに、それですか」
呆れた目でわたしを見る。
「水城くんが泣かせたんじゃん」
キッと見返してその目に対抗する。
「俺じゃ、泣かせられないですよ」
ふっと水城くんは笑って言った。
「ああ。どうしよう」
教室に戻ったら、泣いたって気づかれるに決まってる。心配する美和子たちの顔が浮かぶ。
「じゃあ。帰りますか」と水城くんが立ち上がった。
「はっ?」
「授業でれないんなら帰りますか」
授業でれないから帰るって単純すぎるよ、水城くん。



