18歳をもう一度。





「つか、百歩譲ってあんたが死神だとして、俺を死神にするとして、なんで過去に戻るんだよ?」



別に戻んなくてもよくねぇか?


イケメン……レニはぱたん、とファイルを閉じると俺に目を向ける。



「死神になるには、現世への未練を全くなくさなきゃいけねぇんだ。

ほとんどの人間が『あれがしたかった』『あれが食いたかった』『子供が』『孫が』etc、etc……と複数の未練を持ってあの世へ逝く。

“ほとんどの人間”以外の少数派の人間でも、誰しも『生きたかった』という未練を持つ。

だから死神にできるのは本当にごくわずかな人間だけなんだよ。


……ま、天使どもには元人間な俺ら死神は“無関心で冷めた人間”って言われてるけどな」



現世? 未練? 天使?



頭の中がこんがらがる。



でも疑問は一つ。




「俺は未練がねぇってこと?」




そう笑顔を引き攣らせながらいうと、「アホか」と頭を叩かれる。

不思議と痛くはない。





「お前の未練は珍しいことに一つしかない」



「?」



頭の中で?が踊り舞う。



そんな俺の脳内を知ってか知らずか、レニは言い放つ。




「『宮戸 那由多が自分を殺した意味を知りたかった』その未練解くために過去に戻って知ってこい。
宮戸 那由多がお前を殺した理由を」