「柴崎先生、だけど……」
「わかった、ん」
私が不思議そうに言うと、桜井君は頷いてプレートを何食わぬ顔で持ち上げた。
「い、いいよ! 持ってけるし」
「遠慮すんなって。里美ちゃん体弱いし」
「弱くなっ……」
「待っててくれたら嬉しいかもしんない」
まだ言い続ける桜井君に反抗しようとすると、含み笑いで遮られた。
ガタンと動かされたドアは、勢い余って跳ね返り、少し開いていた。
申し訳ないとか思いながら、学級通信などが貼ってある掲示板にもたれ掛かった。
「おー桜井! どうした? もう授業始まるぞ」
中から聞こえてきた声は、まさしく担任の塚本先生だ。
「あ、家庭科で作ったカレー持ってきたから」
「そうかそうか。お疲れ様」
「先生の分はないけどね」
「気が利いてないな〜」
「だって家庭科の先生なんも言ってなかったしっ」
仲良く喋っているみたいの桜井君。
先生の前でもいつもの口調は変わらない。
「わかった、ん」
私が不思議そうに言うと、桜井君は頷いてプレートを何食わぬ顔で持ち上げた。
「い、いいよ! 持ってけるし」
「遠慮すんなって。里美ちゃん体弱いし」
「弱くなっ……」
「待っててくれたら嬉しいかもしんない」
まだ言い続ける桜井君に反抗しようとすると、含み笑いで遮られた。
ガタンと動かされたドアは、勢い余って跳ね返り、少し開いていた。
申し訳ないとか思いながら、学級通信などが貼ってある掲示板にもたれ掛かった。
「おー桜井! どうした? もう授業始まるぞ」
中から聞こえてきた声は、まさしく担任の塚本先生だ。
「あ、家庭科で作ったカレー持ってきたから」
「そうかそうか。お疲れ様」
「先生の分はないけどね」
「気が利いてないな〜」
「だって家庭科の先生なんも言ってなかったしっ」
仲良く喋っているみたいの桜井君。
先生の前でもいつもの口調は変わらない。


