「ゴホンッ。それでは新入生代表の挨拶に移ります……」
進行の人が軽くせきをした。
「たしか今年は女だって」
千香ちゃんが耳元で話す。
どんな子なんだろ……?
友達になれたらいいなぁ……。
「第51回新入生代表、桜井草太」
「はい」
聞こえてきたのは、明らかに男の子の名前。
そして男の子の声。
「へ!? 女じゃないの?」
千香ちゃんも周りの人も、私と同じように驚いていた。
そして壇上に上がってきたのはさっきの千香ちゃんと話してた人。
姿勢がよくて、
堂々とした声が澄んでいて、
凛とした表情が大人っぽい。
先輩にしか見えない身長。
同じ1年生とは思えない。
騒ぐ声なんてない。
頭を動かそうとする人なんていない。
ただ、
ときどき下を向く顔を、
並べられていく言葉を、
黙って見ていた。
進行の人が軽くせきをした。
「たしか今年は女だって」
千香ちゃんが耳元で話す。
どんな子なんだろ……?
友達になれたらいいなぁ……。
「第51回新入生代表、桜井草太」
「はい」
聞こえてきたのは、明らかに男の子の名前。
そして男の子の声。
「へ!? 女じゃないの?」
千香ちゃんも周りの人も、私と同じように驚いていた。
そして壇上に上がってきたのはさっきの千香ちゃんと話してた人。
姿勢がよくて、
堂々とした声が澄んでいて、
凛とした表情が大人っぽい。
先輩にしか見えない身長。
同じ1年生とは思えない。
騒ぐ声なんてない。
頭を動かそうとする人なんていない。
ただ、
ときどき下を向く顔を、
並べられていく言葉を、
黙って見ていた。


