先輩の声…

いつも聞いてる声と違う

透き通っているのに力強くて
心に響くっていうのが実感でわかる

流石音楽一家の長男…というか
やっぱり天性なんだろうな
私とは違って…


先輩を見る度の劣等感
それが私を締め付けている一つなのかもしれない
なんて思った



曲が終わって…

「はい、次高山さんの番」

「え…あ、はい」

私は恐る恐るマイクを握った