その時だった。 制服の袖をぐいっとひかれた。 横を見ると、金髪の男の人が、 こっそりスマホの画面を向けてきた。 “触られてる?” 首を小さく動かす。 その途端、肩を抱かれぐっと押され、 私と男の人の場所が入れ替わった。 もう触られてないけど 足が震えてまっすぐ立てない私を、 その男の人はずっと支えててくれた。