一め惚れ

「そういえば、先輩はどの駅で降りられるんですか?」


旭妃の降りる駅が近づいてきて、あたしはふと目をそらしながら先輩に尋ねる。


神々しすぎて、直視できない。


「ああ、西本町だよ」

「えっ、あたしもです!」


これからあと15分も先輩と一緒にいられるなんて…神様があたしに味方している証拠かも。


「あれ?でも、昔はもう少し手前の駅じゃありませんでしたっけ」

旭妃が言うと、先輩は照れ臭そうに笑った。


どんな笑い方も…素敵。



「あはは、…恥ずかしながら、今日は帰れなくてね。祖母の家に寄ろうかと思ったんだけど」

「あ、そうなんですか。それじゃああたしは、ここで失礼しますね」

そう言ったところで、ちょうど扉が開き旭妃は電車を降りていく。

「うん、またね」

「旭妃、またー」


旭妃は電車を降りる間際、あたしを振り返ってウインクをしていった。

…上手くやれってことかな。


にしても、絵になるな…。