「みんなに平等ってわけにはいかない
けれど、少なくとも僕なら
君のことだけは、何があっても
大切にしてみせるよ。」

「成宮くん…。でも、梨沙さんは?」

「大丈夫。というより僕はおそらく
梨沙とは一緒になれない。
…わかるんだ。彼女は素敵な女性
だけれども、僕じゃない。
彼女の相手は僕じゃないから…。」

「…なら、あなたのお相手って?」

「…君だよ。君しかいない。
初めて君を見たときから僕の相手は
君なんじゃないかって
ずっと思ってたよ。
あの頃はただの勘違いだと勝手に理由を
作っては逃げてきたけれど、
今なら言える…。

ーずっと…ずっと前から好きでした。
僕とお付き合いしてください。」

「…ぁ」


…同じだ。
以前梨沙に〝綺麗〟だと言った時と
似ていた。
何も臆することなく、真実のままに
言葉を添える。
ただ少し違うのは、あの時とは違い
後ろめたいことがないことだ。
これは、僕が彼女のことを愛していける
という覚悟なのだろうか。
ー僕には既に罪悪感はない。


「…わたし…も。」

彼女は今にも樹から堕ちてしまいそうな
ほど、熟した林檎のように
真っ赤っかになっている。
恥ずかしいのだろうか、

嬉しいのだろうか、

彼女の感情まではわからない。

だが、答えは既にわかりきっていた。


「私…成宮くんと、だったら…。」

ーこれで僕も〝幸せ〟になれるー…。


「…ずっと、一緒に…。」