「…それでリクのやつおかしいんだぜ。
一緒に花火してて、今流行りの空中に
文字を書くやつ?あれがやりたいとか
言い出して急に花火振り回したと
思ったらすっぽ抜けて花火が頭の上に
乗っかって、あちゃちゃちゃなんて
言ってたんだからな。」

「あはは、それでどうなったの?」

「そこの部分だけパンチパーマ
になってた笑」

「なにそれ〜、もうリク君ったら〜。」

「あはは、あの時ほど笑ったことは
なかったよ。」

「うん、面白いね。ていうか、
成宮くんはリク君のことが本当に
大好きなんだね?」

「え?いや、そんなわけじゃ…」

「だってリク君の話ばかりするし、
リク君のこと話してる成宮くん、
とても楽しそうなんだもん。」

「…そうかな?
別にそんなつもりはないけど、
リクといると全然飽きないし、
何よりあいつをからかうのすごく
楽しいからね。」

「そうなんだぁ〜。
仲良しさんなんだね。」

「…天原にはいないの?そんな友達。」

「ん〜、私にはいないよー。」

「一人も?」

「うん、ていうか私自身、友達が
そんなにいる方じゃないからかな?
本当にちゃんと何でも相談できるヒト
っていないんだよね。」

「そうなのか…。」

「うん、でもね全然寂しい
わけでもないの。悲しくもないしね。
別にそんな相談したところで結局解決
するのは自分自身なんだもの。
だったら別に無理に話す必要も
ないじゃない。
…ヒトは何のために相談するの?
愚痴を聞いてもらうため?話を共感してもらいたいため?それとも慰めて
もらいたいため?
そんな理由だったら私は別に
友達なんていらないわ。
私はそこまで弱い人間でもないし、
自分一人で何とかできるもの。
なんでみんな、そんなにも誰かを頼りに
しなくちゃ生きていけないんだろう?…
私にはそれがよくわからないんだ。」

「…まあ、一理あるね。
最近のヒトはちょっと頼りすぎな感じ
がするからな。
全く頼らないわけにはいかないけれど、
頼りすぎってのも
よくないことだしね。」

「うん。あ、でもこんな私にも一人だけ
いたんだよ?
何でも相談したいなって思う人…。
凄く一緒に居たいなって思ってた人が」

「へぇ、どんな人なの?」

「うん、その人は優しそうな顔を
しててね、実際とても優しかったの。
何よりみんなのことを平等に見ててね、
こんなに性格がひん曲がっている私に
すら、優しくしてくれるの。
私、その人が大好きだったんだぁ。」

「そうなんだ…。」

「うん…」

「…。」

「…。」

「…なら、僕じゃ駄目かな?」

「え?」