別に寂しいとかそんな感情など
高校三年生にもなって
抱きはしないのだが、
どうせ同じクリスマスを過ごすのならば
一緒にいたいと思えるような
人といたい…。
そう考えながら僕は
教室の窓際の近くで一人勉強する
女性を一瞥する。
その見るからにふわっと何か
香ってきそうな黒髪のロングヘア。
まるでフランス人形の眼をそのまま
移植でもしたのかと思うくらい
ぱっちりした目。
とても色気が感じられる
ふっくらとした唇。
窓を透して雪ごと一緒に見れば、
それだけで一枚の絵が完成しそうな程、
美しい姿である。
僕はこの絵を一生見ていられる、
あまつさえそんな気もした。
それだけで幸せだったのだ。
だが、その幸せは友人の一言によって
あっさりと瓦解していくこととなる。


「おーい、何してんだよー、
そろそろ行くぞー。」

頭ではわかっていながらも
空気の読めない友人に多少苛つかせ、
僕は教室を後にしようとした。
そんな時、