「そうそう。
あんた、梨沙さんの花嫁姿は
もう見たの?見ていないでしょう?
あれはとても綺麗だったわよぉ。
やっぱり素がいいと何を着させても
綺麗に見えるものねぇ。
若い頃のお母さんを見ているようで
胸がドキドキしちゃったわ。」

「…へぇ。」

「へぇ…。ってあんたどんな姿か
気にならないの?本当に綺麗だった
んだから!母さんの花嫁姿!もうねぇ、母さんの若い頃は…(以下略)」

…そっちはどうでもいいわ、と
口を挟みたかったがあまり突っかかって
いくと、後々面倒なことになるので
僕は出かかった言葉を無理やり
飲み込み、母親の無駄な自慢話を
つまらなそうに聞いていた。