数年前、十二月二十四日ー。


高校三年生の冬ー。
その日はクリスマスイヴの名に
恥じることのないと思える程の雪が
さらさらと降り続けていた。
だが、僕らは今年、人生を左右する
大切な年だ。
そんな悠長な時間を過ごせる暇など
ありはしない。
…が、しかし愚かな友人がどうしても
と駄々をこねるので僕は仕方がなく
友人の誘いに乗り、
一緒に寂しいクリスマスを
過ごすこととなった。