待ちゆく人が、変わりゆく空が、色づく街が、移動する太陽が。
様々なものが、時間が経過するたび変わって。
針の音が鳴らない時計は、とてもゆっくりで。
見る事を、聞くことを忘れれば、すでにその時間の景色は無くて。
私が、そんな儚く、綺麗で、早く、でもゆったりとした時計があることを知ったのは、本当に最近の事。
今の状況になるまでは気付かなかった、大きな時計は、彼と一緒に見ることで更に儚く綺麗に見えて。
大きくて、誰のものでもない時計。
(でも、気付かない限りは、気付いた人だけの時計)
私が街と空を見ながら零した言葉は、彼に届き、微笑んでいる私の横顔を見て、彼も照れくさく微笑んでいるのに、
私は気付かないまま、街と空を見続けていた。


