『俺はリンを守る人。』


 この言葉は私にとって素直にうれしかった。自分のことを大切に思ってくれている人がいる、それだけで私は心が軽くなった。

「………俺の名前、何だと思う?」
「!?/////////」
(あれ。顔、熱い。ぽわぽわする。)

 今はそんなこと考える余裕が全くなかった。




------- ?? side ---------------------------------------------


 見つけた。
 
 ずっと、探していた。

 待ってて、ララ。



『…………………………。』




------- Boy's side ----------------------------------------

「!!」
(今、上から声が聞こえた。)
「セイン、聞こえたか?」
「はい。1人、プレイヤー反応です。」
「えっ?どうしたの??」

 リンには聞こえてないみたいだった。俺だけに聞こえるように言ったのだとすると、これは…………。

「ヴァイセの能力か。」
「おそらくそうだと思います。」
「あっ、葉っぱが落ちてきた。」
「!!リン、それさわっちゃダメだ!」
「んっ?」


------- Rin's side ----------------------------------------

『初めまして、キミと、妖精さん。さっそくですが、眠っていただきましょう。おやすみなさい。良い夢を。』

(どうしよ。力が入ら…な……い。)

「リン!?」

 倒れそうになった私を支えてくれた。

「……ごめんね。力が入らなくて…。」
「俺ももっと早く言えばよかった。ごめん。」
「あの葉っぱから、声、聞こえた。セインも、危ない。」
「えっ!セイン?!」
「すみません。ちょっとマズいかもです。」

 ピキピキッ

「ちょっと、リンさんのデータ借りますね。」

 セインは崩れて消えてしまった。

「……セイン?」
「大丈夫。たぶん、リンのデータにセインの記録が残ってる。また、呼び出せる。」
「……よくわかんないけど、よかった。またちゃんとセインに会えるんだね。」
「うん。」
「……ん。眠い。」
「大丈夫。ここは俺がなんとかする。」

 そう言うと、彼は私を抱えた。
(これって、お、ぉお姫様抱っこでは!?)
 彼は私を大きな樹の根元でおろしてくれた。

「リン、目閉じてて。」
(でも、閉じたら寝ちゃうよ。あなたを助けられ……ない………。)

 私は深い深い眠りについてしまった。