双葉に一滴垂らし、リンの魔法が発動する。

「リン、今だ!」
「うん!『光戦士(シャイト)』」

 スッ。

 リンの背中から羽が現れた。真っ白なワンピース、腰のあたりまであるきれいな2つ結びのリンに白く透きとおった天使のような羽はとてもきれいだ。つい、見入ってしまいそうになる。

(きれいだ。)

「……あっ。」

 自分の体が光っているのに気がついた。
 さっきの芽も同じ光を放っている。そして、その光から小さな子が造られた。同時にリンの魔法も完成したようだった。

「………。」

 その子は何も喋らず、じっと俺の方を見ている。

「リン、できたみたいだね。」
「うん。」

 リンが魔法で光を造り出した。

「じゃ、俺も!……はい。」
「速っ!!」
「俺、魔法初心者じゃないもんね!笑」

 リンのきれいな光とは真逆に、俺は黒い光を造り出した。この2つの光が心へと変わるのだ。きれいな光が善、黒い光が陰を意味している。どちらか一方だけでは決して心として成り立たない。
 しかし、今その2つの光がそろった今、その魔法が可能となった。

「これを君に。」

 リンが2つの光を渡した。
 その小さな子がそっと光にふれると、小さな羽が現れた。自分たちよりもはるかに小さな手で大事そうに光を抱えている。

「ミツケタ。ボクノココロ。」

 そう言った瞬間、まばゆい光に包まれ周りが見えなくなった。






「……ねぇ。これって成功したの?」
「うーーん。(¯―¯٥) 」
「だってさ、蕾になっちゃったよ?しかも、全然出てこないし。」
「………。」

 さっきの光が消えてから、全く変化のないまま10分くらい時間がたってしまった。

(俺もこの魔法使ったことないからなぁ…。)

 10分も変化がないと正直、不安になってきた。ひたすら、成功であってほしいと切実に思った……。


「あっ、そういえば。」

 リンが話しかけてきた。


------- Rin's side ----------------------------------------

 何となく、聞くタイミングを逃してしまっていた。さっきからずっと聞こうとしていたが、ここまできてしまった。

(今、聞くしかない!)

「まだ、聞いてないよね。君のな……。」



---♪♪♪---



「これって、鈴の音??」
(…って、また聞くタイミング逃しそう!!)

 鈴の音が聞こえた時、あの花が開いて、中から小さな光が出てきた。

「咲(ひら)いた。」