------- Rin's side ----------------------------------------

 どのくらい歩いただろうか。どんなに歩いても真っ白な景色のまま。そろそろ限界だ。

「もう、ムリ…。: ((одо;)))」
「リンさん、もうちょっとです!」

 同じ言葉を何回聞いたのか、もう忘れてしまった。頭が回らない。でも、眠いわけでもない。

(あとどのくらい歩くのかな…。疲れたし、休んでないし、全然寝てないし…。あれ??私、なんで眠くないんだろ?)

「てか、私たち、なんで寝ないの?!私ここに来て、何日たったの?!」
「今さら気がついたの??」
「だって…。」
「何日たったのかはわからない。けど、寝ても寝なくても同じことだよ。」
「???」

 たまにユーシャはそういうわけのわからないことを言う。

(寝ても寝なくても同じ?冗談じゃない!!)

「ねぇ!ユ………。」

 またユーシャが悲しい顔をしていた。

(少し前に悲しい顔を見たばかりなのに…)

 悔しかった。ユーシャは自分を守ると言ってくれたのに、何もできない自分がすごく嫌になった。

「………か。」
「ん?」
「ユーシャの、ばかかぁぁぁ。」
「ええぇぇぇ!!?」
「私に何か隠してるでしょ!!ユーシャがわけわかんないこと言う時、必ず暗い顔するからすぐわかるよ!何隠してるの!」
「………。」

 ユーシャは下を向いて、何も話したくないような雰囲気だった。

(何で!?今まで一緒にいたのに、何で話せないことがあるの!!)



「誰だって、話したくないことくらいあるよ。」



 その言葉で私の心はぐちゃぐちゃになった。どうしてユーシャが話したくないのかわからないし、話さない意味もわからなかった。リンの感情が大きく揺れる。

「そんなの、わかんないよ!!もう、ユーシャなんか、大ッキライ!!!」