「バカ、聞こえたらどうするんだ!?」

内場さんがバシッと何かをたたいた。

「痛い、音がデカい!」

「ちょっと押さないでくださいな!」

視界が暗いから何が起こっているのかよくわからない。

そうこうしている間に、ぐらりと躰が傾いた。

「わーっ!?」

「どーっ!?」

「ぎゃっ!?」

ドシーンッ!

それまで目をおおっていた手が離れたかと思ったら、視界に入ってきたのは驚いた顔でわたしたちを見つめている蔵野さんと松本さんだった。

「おいっ、逃げるぞ!」

内場さんが言って逃げ出したので、
「あっ、待て!」

「置いてかないでください!」

辻本さんとわたしも逃げ出した。

何ちゅー七夕だよ…。