コールセンターの恋愛事情

冷房がよく効いているコールセンターの中で、わたしは先ほどまでの出来事を辻本さんと内場さんに話した。

「へえ、そんなことがあったんだ…」

ホットケーキを頬張りながら、内場さんが言った。

「松本さんは蔵野さんのことが好きだと思うんです。

でも子供の頃に起こった事件が原因でどうすることもできない、と」

そう言ったわたしに、
「うーん、なるほどなあ…」

辻本さんはやれやれと息を吐いた後、壁の方に視線を向けた。

「おっ」

辻本さんが何かに気づいた。

「どうかしましたか?」

そう声をかけたわたしに、
「明後日は七夕だよな?」

辻本さんが聞いてきた。

「そうですけど…」

それが一体どうしたと言うのだろうか?