わたしたちが年越しを迎えた場所は、毎度おなじみのコールセンター――つまり、会社――である。

大晦日に集まって年末ならではの特番を見ながら年越しを迎えた…と言う訳である。

「ここだと全員集まりやすいじゃん」

そう言って質問に答えたのは辻本さんだ。

「まあ、そうですけども…」

だからと言って年越しを会社で迎えるのはどうなのだろうか?

休みだと言うのに、何だか変な感じだ。

「内場、掃除終わった?」

そう聞いてきた辻本さんに、
「終わったよ」

内場さんはムッとしたと言うように答えた後、ほうきとちりとりを掃除道具入れに片づけた。

「じゃ、初詣に行きますか」

辻本さんはそう言った後、ダウンジャケットを身につけた。