「とりあえず、出るぞ」

そう言った辻本さんに、
「どうやって出るの?」

内場さんが言い返した。

「出口はあっち、それも1つだけですよ」

わたしはドアの方を指差した。

ここからあそこに行くのは少し無理がある。

何よりも遠い…。

「あーっ…」

わたしたちはガッカリすることしかできなかった。

「辻本、安請けあいはもうやめろ」

そう言った内場に、
「もう2度とやらんよ…」

辻本さんは嘆くように呟いた。

こっちはこっちで、何てこったなクリスマスになってしまった…。

一生の思い出になりそうな気がするよ。