白雪と福嶋のきょり

分からない事ばかりが頭の中をぐるぐる回って、次第に視界には昨日おろしたばかりのサンダルの先しか見えなくなる。

大きく開花している天色の花が爪先を隠すサンダルは、まだ目立った汚れの付いていない真っさらな靴。

ふと、その先にあったロウソクの火が消えた。

「いいか、白雪。」
「はい?」

立ったままだったはるか先生がしゃがみ込んだ時に生まれた風が、吹き消したから。

「お前は鈍感なだけだ。」

鋭く辺り一面を照らす車のライトに照らされるはるか先生の顔は、先生の顔。

けれどいつもより、少しだけ優しさが増えた顔。

「俺が今教えた事、忘れるなよ。」
「…はい」


この人に愛されている人はとても幸せなだなと思った。