5時間目。
社会、公民だ。

5時間目の社会ってすごい寝れるよね。
よく分かんない政治の仕組みとかダラダラ話されてもなあ。
おまけに当てられることも無いし!
寝ちゃおうか。


日差しが気持ちいい。

まぶたが降りてきた。




「…さん」

「…もとさん」

「岡本さん」


「ぬおあ!!!」

一瞬で理解した。

寝てたわ。完全におちてた。

視線が私に集まる。

こういう時って誰かがコソコソ言ってそうで嫌だよね、誰だっけあの人。
コソコソずっと喋ってる。
私のことかな、いや被害妄想かしら。

そうだ、池内さんだ池内綾。

杉下とよくいるやつ。
理解出来ない人物ナンバーワン。


違うよ。
今はそうじゃなくて、

「なんですか岡本さん、もしかして寝てたの?」

あっちゃー。先生ぷんぷん丸。
精神状態って髪の毛に現れるとかなんとか。
残り少ない毛根を大切に…

でもなくて。


「あー、えー、いやーその」

「なにか理由があるんですか?」



「違うよせんせー」