たまたま倉本が居合わせたお陰で、犯人を制圧する事が出来た。

しかし、レストランでは車に轢かれた者も含め、多数の死傷者が出た。

その数43名。

「大丈夫か」

倉本は美奈を抱き起こす。

「え、ええ…それより怪我人の手当てを…」

何とか立ち上がろうとして。

「痛っ!」

美奈は顔を顰める。

倉本が押し倒した際に、足首を捻ったらしい。

「足か」

「だ、大丈夫、歩けるから…」

言い張る美奈を制して、倉本は彼女を抱き上げた。

「ち、ちょっと…!」

「怪我人の手当ては救急車を呼んでおく。君も安静にした方がいい」