引き摺られるようにして倉本が美奈に連れて来られたのは、通りに面したカフェテリア兼レストランだった。

こんなお洒落な店は、倉本では入ろうとも思わない。

「ほらサングラスなんて取ってよ」

美奈が倉本の顔からサングラスを奪い取る。

紺のスリーピーススーツ姿の倉本は、どこか落ち着かない様子で席に着いた。

「さてと、何食べる?」

何だか嬉しそうにメニューを広げる美奈。

横文字ばかりのメニューが並ぶ。

「…君が適当に選んでくれ。自分は何でもいい」

「女性の扱いに不慣れねぇ」

呆れたように美奈が溜息をつく。

…早く店を出たい。

ネクタイを緩め、場違いな雰囲気に居た堪れなくなっていた時だった。

「!!」

通りを一望できる大きな窓。

その窓の向こうから、1台のピックアップトラックが突進してくる光景が目に映った!