「何言ってやがる!人殺し野郎の言い分なんか信用できるかよ!」

信用ならないと咬みつく巽。

しかし。

「俺達の組織に、銃器を得物にする暗殺者は存在しない」

雪村は静かに呟く。

ジャム(弾詰まり)、バレルの焼き付き、不発弾など、作動不良が宿命とも言える銃器。

命のやり取りをする殺しの現場において、そんな不確かな要因の絡む銃など、亮二達暗殺者は使用しないというのだ。

「それでてめぇらが犯人じゃねぇって証拠が、どこにあるってんだ」

「……」

巽の問いかけに答える事なく、亮二は踵を返す。