「全くケダモノはよ」

その光景を、遠巻きから嘲笑う者がいた。

十数メートル先の雑居ビルの一室。

オルロフが窓から見ている。

思惑通り、あの暗殺者どもと野獣どもは咬み合いを始めた。

しかし、何て殺し合いだ。

見ているだけで寒気がする。

あんな真っ向からの殴り合いなんぞ、正気の沙汰とは思えない。

アイツら命は惜しくないのか?

「賢く殺そうと思えば、幾らでもやり方はあるってのによ」

そう言って。

オルロフはSR-25を構えた。

ナイツアーマメント社によって開発されたセミオート方式のスナイパーライフルだ。