奈美と千里の、連携攻撃が続く。

トンファーを捌いたと思っても拳打、拳打を捌いたと思ってもトンファー。

波状攻撃は全て防げるものではなく、倉本は何発もクリーンヒットを貰っている。

それだけでも手一杯だというのに。

「くっ!」

時折襲いかかってくる、景子の大振りの斬撃!

まともに食らえば体を両断されてしまう。

最優先で回避するものの。

「ぐぅっ!」

その回避の隙を突かれて、トンファーの横薙ぎが脇腹を打ち据える!

重い鋼鉄製のトンファーだ。

下手をすれば骨をへし折られかねない。

トンファーの打撃の威力を受け流すように、直撃の瞬間に体を弛緩させた為、何とか骨折は免れたが。

「信じられないな、この男…直撃を受け流すなんて」

倉本の格闘センスに、千里が舌を巻く。

「ええ、でも」

景子は奈美、千里と共に並び立つ。

「どんなに達人でも、3人の攻撃全てを受け流し続ける事は出来ないわ」