「腕を切り落とし、舌を抉り取り…その悲鳴が大きければ大きいほど、切断部位に宿る力は強くなる…馬鹿げてるわよね、21世紀のこの世の中に」

待機中、身を潜めながら。

群青色のセミロングヘアを揺らし、景子は言う。

「その悪習残るタンザニアにも、オルロフは銃器を売り捌いていたそうよ。罪なきアルビノの人々の虐殺の片棒を担いでたって訳」

「で…?」

松岡はジロリと景子を睨んだ。

「何が言いたい」

「別に」

景子はツンと澄ました顔をする。

「そんな悪党からの依頼でも受けて刑事達を抹殺する私達もまた、悪だとでも言いたいの?」

ショートカットの娘、千里もまた、景子に食ってかかる。