BEAST POLICEⅢ

巽の言葉を聞き取ったのだろうか。

診療所に入ってきた人物は、ゆっくりと歩を進める。

一歩一歩踏み締めるように。

部屋の灯りを付ける事なく。

その足音は、巽のベッドへと近付いてきていた。

窓から差し込む、歌舞伎町の一晩中消える事のないネオン。

そのネオンが、間仕切りのカーテンに人影を映し出す。

体格、背格好から、男である事は分かった。

だが倉本ではないと、巽は判断する。

ならコイツは誰だ?

答えを導き出す間もなく。

「!?」

間仕切りカーテンに、拳銃を構える男の姿が映し出される!

「女医!起きろっ!」