倉庫を出て、港湾施設を逃走するオルロフ達。

それを追って倉庫を出た倉本は。

「ぐっっっ!」

突如として左腕を撃たれ、その場に転倒する!

地面を転がりながら、物陰に隠れる。

(狙撃手か?)

身を隠して周囲を窺う。

逃走しながら、狙撃位置を確保する余裕などなかった筈だが。

目を凝らして敵を探す倉本。

その目に映ったのは、無人で発砲する自動小銃の姿だった。

RWS(Remote Weapon System、Remote Weapon Station)。

本来は軍用装甲車などの装甲戦闘車両や軍用船舶に装備されている遠隔操作式の無人銃架・砲塔の事を指す。

市街地など待ち伏せを受けやすい場所では、機銃手が車外に露出して警戒すると狙撃されたり、路肩爆弾に巻き込まれる危険がある為、RWSのような装置の需要が生まれる。

車内から搭載カメラの映像を見ながら操作を行い、敵弾に身を晒す事無く安全に攻撃を行う事ができる。

オルロフ達は現在も逃走しながら、仲間の1人がどこかで身を隠し、倉本を狙っているのだ。