「うん」 私よりも少し先を行く田中くんの後についていく。 「ここ座ろっか」 田中くんは空いている木のベンチを指さした。 それに軽く頷いてゆっくりと腰をおろす。 「貝崎さんってさ」 ひと言そう言葉を発してから口を閉じ、 再び口を開いた。 「彼氏とかいるの?」 「…え?いない、けど…」 田中くんは僅かに口元を綻ばせた。 「それなら俺と付き合ってくれない?」 (…――え?) 「やっぱ、市瀬みたいなカッコイイ奴じゃないと無理―…かな?」