「…離してよ」
「断る」
腕を引っ張ってみるけれど、咲間は男で私は女。
私がいくら強く引っ張ってみたって、ぴくりともしない。
「お前に話がある」
「私にはない!それに用事あるしっ」
キッと睨みつけると咲間は一瞬だけ荷物を見たあと、眉間にしわを寄せた。
「そんなもの、隣のそいつに押し付ければいいだろ。 …いいから来い」
「やだっ!離してよ!」
体をひねったり腕を振ったりするけど、
それは先ほどと変わらず微動だにしない。
騒ぎを聞きつけたのか、次第に野次馬ができてくる。
(なんで私がこんな…)
ぎゅっと唇を噛み締める。
その時だった。


