「私も爽くんの、」 「おい」 私の声にかぶせるようにして、耳に入ってきた…いま1番会いたくない人の声。 その声の方を向かず、聞こえないふりをする。 だって、すごく気まずいし。 「…美瑚ちゃん?」 「いこう、爽くん」 ずんずんと歩くスピードを早める。 爽くんは突然のことに驚いていたようだけれど、黙ってついてきてくれた。 けど、私たちの後ろからついてくるダルそうな足音。 それとの距離はいくら早足で歩こうと遠くなることはなくて。 「おい待てよ」