「じゃあ、よかったら一緒に回らない?」


「え?」


「その時に話があるんだ。ダメかな?」


困ったように頬を搔く田中くん。


「いやっ全然!
私はいいけど…でも、彼女さんは?」


「彼女?」



きょとんとする田中くん。

そして数秒おいてから突然笑い出した。


「いないよ、彼女なんて」


「そう…なの?」


「うん、だから回ってくれる?」



俺も友達はみんな歩かの奴と回るらしくてさー、と苦笑いしながら言った田中くんを凝視する。



「も、もちろん」


「よかった。当日を楽しみにしてる」


「うんっ私も」