「あの田中に?」


「うん」



それに、その子が何回か何回かクラスにきてるんだよね…。



「そっか。

市瀬といい、咲間といい…大変ね」


「ほんとだよー」


「まぁ、ゆっくり決めなよ。

って…美瑚、ケータイ鳴ってない?」



夏夜が私の鞄の中を指さす。


「あ、ほんとだ。誰からだろう」



【着信: 恭 さま】



「ごめん夏夜、出てもいい?」


夏夜は無言のまま頷く。


ピッ

「…なに?」