市瀬くんモテるんだろうなー…。 市瀬くんが王子様だったら、すごく素敵だろうなぁー…。 なんてひとりの世界に入っていたとき、 それまで存在を忘れていたあいつの声で現実に引き戻される。 《…この声、爽か?》 「え。あ、うん」 ――って、なに正直に言っちゃってるの! 空いてる左手で頭をコツんと叩く。 ふと目の前を見ると、市瀬くんは手の甲を口元に当ててくすくす笑ってる。 は、恥ずかしい…。 《…今すぐ屋上に来い》 あれ、なんか更に声が低くなった―――?