ここはいうことを聞いておくに限るよね。 「なぁ」 「…まだなにか?」 私の身体の左側にとん、と咲間くんの手が置かれる。 そして目の前には麗しいお顔が―――… (近い近い近い! ほんと近いからっ!) 「上目遣いでこっち見て…誘ってんの?」 「さそ…!?ち、違うしっ」 何を言い出すんだろうこの人は。 しばらく無言のまま私の顔をじっと見つめていた咲間くんはこれまでとは違う、ふんわりとした笑顔を浮かべた。 「ふはっ、ウケる」 「なっ…!」 私の前から顔と体をどけるとくるりと踵を返した。