「爽くんこれは――」 「ねぇ、そこの君」 爽くんが私を背中に隠す。 そしてそのまま手を包み込むように握られた。 大丈夫だから――。 なんか、そんな言葉が手を通して伝わってくる気がする。 「……なんだよ」 自分の玩具を取られた幼児のような表情をして、田中くんが低い声で答える。 「この子になにをしたの?」 真っ直ぐ目を見て話す爽くんは、 静かでゆっくりとした口調だけど、どこか強さを感じるものがあった。 「べつに。 なんもしてないけど?」