「なぁに、恭くん」
群がっているクラスの女子の1人が可愛らしく首を傾げる。
この子は成瀬 真奈ちゃん。
その容姿はまるでモデルみたいで。
私たちの学年だけじゃなくて、先輩後輩、さらには男女を問わず人気者。
他の男子ならすぐに恋に落ちてしまいそうなほど可愛らしい真奈ちゃん。
そんな彼女に視線を移すことなく、咲間くんは口を開いた。
「うるさいんだけど」
教室に入ってきたときよりも、はるかに低い声で睨むようにして言われた真奈ちゃんはその雰囲気に涙目になりながら、「ごめんなさい」と謝って行ってしまった。
それからというもの、咲間くんに話しかける人は少なくなった。
そしてそれと同時に、あるひとつの噂が私の耳にも入ってきた。
「2ーAにいる咲間って人、ヤンキーなんだって!」
「噂だとあの覇龍に入ってたらしいよ」
「うそ!?覇龍って、あの伝説の族の?」


