「俺が言いたかったのはそれだけだ」 くるりと踵を返すと路肩に停めてあったバイクに跨ってエンジンをふかす。 「あ、咲間っ!」 バイクに跨った咲間がゆっくり振り返る。 「学校!来なさいよね!」 聞こえるように大きな声で言うと、何も言わずにそのまま走り去ってしまった。 その姿を見送ってから家に入る。 なんか、今日一日で色んなことがあったから頭がついていかないや…。 「――ただいまぁ」 「いまの彼氏?」 パタパタとスリッパの音を立てながら出迎えてくれたお母さん。 「なっ…、ち、違うから!」