「そうだけど…」 「ん」 目の前にずいっと手を差し出してくる。 「へっ?」 訳がわからず固まっていると、咲間は表情を変えないまま口を開いた。 「茶。俺がもらってやる」 「…いや、持って帰るからいいよ」 さりげなくお茶を遠ざけてみるけど、手首を掴まれてそれ以上動けない。 「…口の中が甘い」 「ココア飲んだからね」 「…」 「なによ?」 じっと見ると、咲間はそっぽを向いた。