「家ってあれだろ?」 田中くんが指をさす。 そこには確かに私の家の赤い屋根が小さく見えている。 「うん。――って…あれ?」 そして家まであと数十メートルというところで、家の前のブロック塀に誰かがもたれているのに気づく。 それは私だけじゃなくて田中くんも同じらしく、訝しげに眉間にしわを寄せた。 よくよく見てみるとその人物の近くには黒に赤のラインが入ったバイクがある。 私が足を止める。 それに気づいた人物がこちらを見た。 その人物が誰か分かってしまい、目を見張る。 「―――貝崎」